僕が宇宙人になるまで / 2019 第31回佐渡国際トライアスロンAタイプ“感想”記

2019年9月1日に開催された佐渡国際トライアスロンAタイプの出場と完走の記憶です

EP8: 膝痛限界マラソン

前回までのあらすじ

ギリギリのところでランスタート。

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バイクからサイコンを外し、右手に持つ。僕はウォッチの類を所有していないので、これが時計代わりである。

トランジを勢いよく飛び出し、出てすぐの本部ASで立ち止まってがっつり水分補給。ここでバイクの20㎞地点以降"鳴り"を潜めていたお腹がまた痛み出し、慌ててトイレへ駆け込む。

10分弱、気を取り直して再び走り始める。バイクとは打って変わって膝の痛みはおとなしくなっており、こちらは練習通りの回転数で走れる。

だが一定以上太ももを上げようとすると相変わらず右膝は痛み、左足前腿から「コンニチハ」。

脚を上げる走り方ではなく足を前に出すような走り方を強いられる。これでは疲労がたまってしまうだろう。しかしどうしようもないのでそのフォームで無理やり走る。

商店街を抜け、路地に入る。ペース自体は(時間から概算しただけなので正確なところはわからないが)キロ5分ぐらいで走れている。エイドで休憩している時間を含めてもキロあたり6分~6分半ぐらいのペース。

なにしろバイクであまり脚が使えていない分、体力はだいぶ残っていた。これなら完走も間に合いそうだと安心感が胸をよぎる。

3㎞を過ぎたあたりで折り返して帰ってくる🐊君とすれ違った。佐渡トライアスロンのランコースは10.5kmを2往復するコースなのである。

「だいぶギリギリなんじゃないの」といつものごとく煽ってくるので「膝やったけど這ってでも完走してやるよ」と返す。

🐊君の恰好に何か違和感があったが(フォームが崩れてるとかそういうことではなくて)、気にせずそのまま行くことにした。

相変わらず走っているときのペースはキロ5分ぐらいなのだが、だんだんASでの休憩時間が伸びてきた。やはり一度止まってしまうと気持ちが立ち上がるまでに時間がかかってくる。

加えて、膝の痛みと腿の張りである。各ASに設置してあるエアーサロンパスをふんだんに使うが、だんだん効果も薄れてくる。

あんなにまぶしかった陽もいつの間にか暮れてきた。ASで反射板タスキを受け取り、肩から掛ける(最後まで何度もひっくり返ってうっとうしかった)。

折り返し地点の前(つまり折り返した後も)は長いアップダウンである。これも普段走っているコースからすればそこまで困難な坂ではないのだが、膝と腿のコンディションを考慮して歩きを混ぜる。

やはりいったん歩いてしまうとなかなか走り出せない。

補給食を食べるのを忘れていたこともあって折り返してからはスピードががくんと落ちた。

そんな状況を見透かしたかの如く、折り返し後のアップダウンが終わったぐらいでふたたび🐊君にすれ違い、「しっかり!」と声を掛けられる。

ここでさきほどすれ違った時の違和感の正体に気づいた。

2日前の島祭りPartyでボランティアの方に手ぬぐいを譲ってもらった彼は何と言っていたか。

「ランのときこれ巻いて走りますよ」と言っていたではないか。その日の夜に「巻くのは頭痛いから首から掛けて走る」と言っていたが。

そんなことはどうでもよい。問題は頭(キャップをかぶっていた)にも首にも手ぬぐいが見当たらないことである。

「きみ手ぬぐいは!?」叫んだが、返事はなかった(後で本人が言うには「ゼッケンベルトにつけてた」とのこと)。

 

というかこれ彼が2周目終わるまでに追い付かれるのではないか、気づいて焦り始めるが、悲しいかなスピードは上がらない。

結局、商店街を抜けて21㎞地点の本部ASに到着したのは18時33分。本当のところはもう15分ぐらい早く到着したかったが、仕方ない。2周目に3時間残せているだけマシである。

陽も落ちてあたりはだいぶ暗くなっていた。ここから2周目。ここが正念場である。

 

つづく